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第八十三番 片岡山 地蔵院 大日寺 

かたおかざん じぞういん だいにちじ

所 在 地松阪市上川町338 
電話番号
本  尊大日如来  宗  派高野山真言宗
真  言おん あびらうんけん ばざら だどばん 
開  山行基菩薩  開 創 年天平年間(729〜49) 
縁  起天平年間(729〜49)聖武天皇は、奈良東大寺建立の際、行基に勅し伊勢神宮へ仏舎利を奉納なされた。この時当地高田山を通過の節、紫雲棚引く山中に大日如来と地蔵菩薩の小像が祀られているのを見、菩薩は一刀三礼して大日如来坐像を刻まれ、同如来の小像を胎内に納め、諸堂を建て高田山貴田寺と称された。行基は農民の困苦を哀れみ、牛馬安全のため一千座の護摩供養を修められた。これが当山の始まりと伝える。室町時代(1390〜1573)には北畠国司より寺領寄進をうけるなど栄えたが、天正四年(1576)北畠国司は織田信長に滅ぼされ、当山も衰退著しく諸堂、記録等滅失してしまった。元和元年(1615)に至り、館林の片岡小兵清勝が故あって伊勢神宮参拝の折、大日如来の霊夢により諸堂宇を再興し、片岡山大日寺と改められた。当山ではこの時を中興開山として今日に伝えている。開創以来農民のため牛馬安全、五穀豊穣、家内安全の護摩百座を修め(毎年六月〜八月)農村繁栄を祈念してきたが、江戸時代に他寺へ受け継がれた。本尊の大日如来坐像は市の文化財に指定されている。昭和五十四年に本堂修復と庫裡を新築し、落慶式が行われた。こじんまりとした境内に本堂が静かに建っている。本堂前に牛の像が造立されており、当山の縁起が偲ばれる。その横に樹齢二百年もあろうかと思われる古大木、夫婦桜がある。本尊は昭和二十八年に市の文化財に指定された。智拳印を結ぶ結跏趺座の金剛界大日如来坐像で、後補の宝冠や腕釧などを着け、豊かな頬の円満相で笑みをたたえている。肩は少し張り、胸は薄く、腹の出は少ない。衣文は各部共浅く、背面はほとんどない。古色仕上げをしている耳、腕、手、膝、足、掌先など後補のあとが見られる。胴部は内ぐりの多い割りはぎつけで、手法はおおむね定朝様、平安時代後期の作と推定されている。なお本像は古来農牛馬の安全保護を司る仏として近在農家の尊崇が厚く、今も豊作と一家繁栄を祈る近在の人々に継承されている。
みどころ 
年中行事 
交  通(公共交通)近鉄JR松阪駅より三交バス、レインボー高田下車徒歩2分。
(車)国道23号線小津より国道42号線松阪より県道松阪〜鳥羽線立田より南入り2km。 
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写  真 外観