八十八ヶ所寺院リスト ホーム ホーム


第九番 無動山 大聖院

むどうさん だいしょういん

所 在 地四日市市日永二丁目11-7
電話番号059-345-1666
本  尊不動明王 宗  派真言宗醍醐派
真  言なうまくさんまんだ ばざらだん せんだん まかろしやだ そわたや うんたらた かんまん
開  山行基菩薩 開 創 年天平十年(738)
縁  起 大聖院の周辺の道路は狭く、境内もあまり広くない。したがって堂宇も寺院としてはこぢんまりとした感じである。しかし、このお寺は醍醐三寳院直末として由緒が深く、ご本尊の不動明王は鎮守府将軍源頼義公の念持仏にして、霊験特にあらたかであって、国の重要文化財に指定されている。
 このお寺は奈良時代天平十年(738)聖武天皇の御世、行基菩薩によって、現在地より西方約千五百米、今の県立四日市南高等学校の南方愛宕山上に大福院と称し開かれたのが始まりである。
 平安時代、弘法大師がこの地に錫を巡らされて以後、真言の法灯は連綿と続き更に降りて平安末期、京都醍醐寺座主・三寶院第二世門跡 定海僧正の御住坊であった。その後、寺運益々隆盛を極め、北伊勢修験根本道場として信仰の中心となり、一宇十七ヶ院の僧坊が建立されていたと伝えられている。
 戦国天正年間、織田信長の軍勢滝川一益の兵火に遭い、永禄十一年(1568)堂宇焼失の悲運に見舞われ、時の住持親蔵法印 本尊を奉じて難を村落に逃れ、降りて元禄三年(1690)中興第四世海養法印 寺地を今の地に定め寺号を大聖院とあらためた。中興第七世快養法印は神戸藩内の寺社仏閣から選ばれて、延享三年(1746)十月十八日、神戸城地鎮祭の祈祷を執り行った。城主は本多忠統公である。そういう名僧であった。大聖院住持は中興第一世親蔵法印以来大和源氏宇野一族松井家歴代世襲にして、神戸藩主の御祈願寺として信仰を集めてきた。
 明治の初め、廃仏毀釈の風潮激しく寺勢一時衰退し境内地も現在の範囲を残すのみとなったが、中興第十五世秀健僧正は奮起以って戦後の宗教界及び当山の復興を計り、現在に至る。
 本尊の不動明王(秘仏・重文)については、次のような来歴がある。源頼義公は前九年の役(1051)の折、奥羽の陣中において不動明王の霊像を感得し、仏師法橋定朝に陣中で感得した不動尊について話を聞かせ、念持仏不動明王の制作を命じた。定朝は精進潔斎し、一刀三礼の誠を尽くして刻み上げたのである。頼義はその荘重で、しかも慈悲にあふれた尊容に深く心を打たれ、ますます崇めると共に、一族の加護を祈った。その後、河内源氏にて、頼義、八幡太郎義家、六条判官為義と信仰され、保元の乱(1156)の頃、大和源氏宇野一族松井氏に伝えられ、源氏の守り本尊として信奉されてきた。永禄八年(1565)三好松永の乱の時、難を逃れんが為、松井親蔵法印 本尊を奉じて一族と共に千種氏を頼り伊勢の地愛宕山大福院に入った。
 御丈九十五糎の一木造り、均整の美自ら備わり平安時代の代表作として、大正四年(1915)八月、国宝(現 国指定重要文化財)に指定されし尊像である。
 「日永不動・日永のお不動さん」の愛称で日々親しまれ、毎月二十八日の不動尊御縁日には本尊護摩供が厳修され、遠近問わず多くの参詣者が開運厄除・諸願成就を祈り参拝に訪れる。
みどころ 大聖院所蔵の寺宝のうち主なものは、市内に現存する最古の絵画である鎌倉時代の釈迦三尊十六善神像(秘仏・県指定有形文化財)、貞享元年(1684)の大般若理趣経、延宝元年(1673)の大聖院法脈表等であるが、珍しいものとしては、当院内の阿弥陀如来の開眼を、千種敬通上人の縁故によって、本願寺顕如上人が行い、このことを示す元亀四年(1573)九月一日付の上人自筆の文書が残されていることである。これは、大聖院が松井氏の氏寺であり、大聖院法脈表に明記されているとおり、大聖院住持は代々世襲とし、清和源氏の末裔、大和源氏宇野氏の一族、また村上源氏千種氏の同族とされていることに深い関連がある。
 毎月十八日の観音様御縁日には観音供が営まれ、宗派を問わず多くの参拝者が各家先祖の恩を感じ、廻向に訪れる。
 なお、昭和二十七年四日市諏訪神社戦災による社殿復興造営の時、中興第十五世秀健僧正は、寛永三年(1626)千種甚兵衛の奉納にかかる重宝「筑前貞邦」の名刀を往古の因縁によって、御神刀として奉納した。
 また、このお寺は、東海三十六不動尊霊場(第二十九番札所)であり、伊勢七福神霊場(福禄寿)でもある。
年中行事元旦        修正会
1月28日     初不動大祭
2月節分の日    節分会星祭り
4月18日     春季永代祠堂会
7月28日     不動盆大祭
10月18日    秋季永代祠堂会

毎月8日      薬師供
毎月18日     観音供
毎月28日     本尊護摩供
毎月3日・13日・23日 心経会
交  通(公共交通)近鉄四日市駅乗換、近鉄内部線もしくは西日野線にて、日永駅下車、南へ徒歩1分。
(車)名古屋方面からは国道1号線を南下し、中央緑地公園前交差点を西進500m。
四日市南警察署を目印にするとよい。
(駐車場)境内地の北西に参詣者専用駐車場有。乗用車10台程度駐車可。
メールアドレス   ホームページ  
写  真 外観